憲法裁判所による弾劾審判の宣告を明日10日にひかえ、これまで約5か月にわたり「ろうそくデモ」を主催してきた市民団体は覚悟を新たにしている。会見の様子をまとめる。(ソウル=徐台教)

「退陣運動」執行部が明かす正直な想い

「朴槿恵政権退陣・非常国民運動(退陣運動)」の代表者たちは9日午前、ソウル市内で記者懇談会を開き、弾劾裁判の終了を前に、現在の心境と今後の予定について語った。

「退陣運動」は2017年3月現在、2400以上のNGO(非政府組織)が参加する連合体だ。複数のメディアによる「崔順実ゲート」追及の本格化を受け、10月29日に初めてソウル光化門広場で朴槿恵退陣を求める「ろうそくデモ」が行われて以降、デモのインフラ整備を担ってきた。

退陣行動写真1
記者懇談会の様子。「退陣行動」側は時折り笑みを見せるものの、全体的に緊張した面持ちを崩さなかった。3月9日撮影。

ネットを中心とした公報、ミュージシャンや演説者との交渉、ステージの設置、ボランティアの運営、メディア対応など、一般市民が気軽にデモに参加できるよう縁の下で汗をかいてきた。10億円以上(約1億円)にのぼる運営費を市民の募金で集め、用途を1ウォン単位まで公開するなど「市民運動のプロ」らしい仕事を続けてきた。

この日の懇談会には、「退陣運動」のメディア対応チーム全員が出席した。

「弾劾はろうそく革命の終わりではなく始まり」

会見ではまず、同団体のスポークスマンを務めるナム・ジョンス氏が、憲法裁判所による弾劾審判の宣告を以下のように見通した。

「宣告を緊張した想いで待っている。ただ、裁判官8人がすべて賛成する完全な『認容』であると、結果については確信している。今回の案件は、朴槿恵大統領が大統領でなかったらとうに収監されてしかるべき内容だ。憲法裁判所による歴史に残る正義の判決を期待している。憲法裁判所も民主主義が設立した機関であるため、民主主義に逆行する選択はしないと考える」

退陣行動会見2
ナム・ジョンス氏。韓国最大の労組連合である「全国民主労働組合総連盟(民主労総)」のスポークスマンも務める。

同氏はさらに「ろうそく革命は、たとえ国民に選出された大統領という権力であっても、弾劾され職を失い得るという歴史として記録されなければならない。政治家も国会も大統領も無条件に信頼してはならず、市民自身が動かなければ世の中が変わらないという前例を示した」と、今回の弾劾を導いた市民運動を評価した。

「ろうそく革命」というのは日本では聞きなれない言葉かもしれないが、韓国では昨年12月以降、広く使われている。保守、進歩(革新)陣営問わず、ろうそくが政局を動かしたことをこう表現する。次期大統領選候補の政治家たちも好んで使う。

参考記事:次期大統領選の予備候補9人は、弾劾案可決をどう評したか?




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