3月14日の「共に民主党」大統領選予備候補によるテレビ討論会。予備選としては異例のテレビ生中継が入り、40%を超えるダントツの政党支持率の勢いを見せつけた。討論会の最後の部分をまとめた。なお、各候補の発言は抜粋であるものの、最大限に原文を参照している。(ソウル=徐台教)

「共に民主党」大統領選候補4人によるテレビ討論会まとめ(1)自己アピールと共通質問
「共に民主党」大統領選候補4人によるテレビ討論会まとめ(2)候補者検証討論
「共に民主党」大統領選候補4人によるテレビ討論会まとめ(3)候補者別の主導権討論
「共に民主党」大統領選候補4人によるテレビ討論会まとめ(4)共通質問、最終アピール、総評(終)

共通質問3:大企業と中小企業、正社員と契約社員など、格差・両極化の問題どうする?

熱気をはらんだ主導権討論が終わり、残すは2つの共通質問と最終スピーチのみとなった。

通算3つ目となる質問は、韓国で大きな課題となっている格差に関する問題であった。風刺を得意とする人気コメディアンのパク・ヨンジン氏が出題した。

「大企業の初任給が、俺の年俸の2倍だ!財閥系の大企業と中小企業、正社員と契約社員。これこそが『金の匙(持てる者)』と『土の匙(持たざる者)』を分けている。このままで『土の匙』が皆立ち上がって大ごとになるかもしれないが、どうするのか?」

パク・ヨンジン氏
共通質問を出題するパク・ヨンジン氏。YTNサイトをキャプチャ。

各候補はこれに対し1分の持ち時間で答えを述べた。

文在寅文在寅

良い雇用こそが答えだ。職場ごと、雇用形態ごと、男女ごとの賃金格差を解消する。また、大企業による下請けへの横暴を根絶する。さらに公正賃金制を導入し、中小企業の労働者と契約社員労働者の賃金を、大企業と正社員の80%の水準まで引き上げる。

安熙正安熙正

差別をなくす大統領になる。傾いている韓国の経済運動場を正す。私が大統領になったら、大企業と中小企業、正社員と派遣社員、男性と女性、特殊雇用労働者(編注:雇用ではなく、委託などの契約形態で働く人々。全国に200万人以上が存在するとされる)への差別など、あらゆる差別を無くしたい。また中小企業でいい働き口が生まれるようにしたい。

李在明李在明

韓国の経済が相対的に悪くなったのは、財閥大企業中心の国家経済政策のためだ。中小企業を圧迫し成果を横取りし、労働者を弾圧し労働者の犠牲を土台にいくつかの財閥大企業が利益を積み上げてきたことが問題となっている。国家経済政策の基調を強者中心から弱者中心に変えなければならない。

崔星崔星

両極化した雇用の解決方法は、大企業と中小企業がお互い発展するようする一方、政経癒着の財閥構造を解体し、個別の大企業として育成することで経済民主化を進めていく。また、全国900万人の契約社員の問題も、同一労働同一賃金を実現するなど対策を立てていく。

1分という短い時間のためか、いずれの候補も抽象的な答えが目立った。ただ、弱者への視点が共有していることは、今の韓国社会の雰囲気を如実に表しているといえる。




共通質問4:TAHHD導入余波の対策は?

最後の質問は、米韓がTHAAD(サード、高高度ミサイル防衛システム)の設置を急ぐことにより、中国が経済面で報復を仕掛けてきている難局をどう乗り切るのかという質問だった。

こちらも人気コメディエンヌのイ・スジ氏が出題した。

「明洞で10年商売をしているが、THAADのせいで中国の観光客が来なくなった。このままでは自営業者はみんな死んでしまう。対策を立ててください」

イ・スジ
人気コメディエンヌのイ・スジ氏。YTNサイトからキャプチャ。
文在寅文在寅

THAADの配備は朴槿恵政権の大きな失敗だ。国内で公論化の過程を経ていないばかりか、外交的な説得努力もないまま拙速で決定したため、中国の報復を招いた。

政府は余りにも容易に楽観していた。政府は今からでも腕まくりして全面に出るべきだ。抗議や説得をしなければならない。

安熙正安熙正

事態をよく理解している。政治家の一人として申し訳ない。私が大統領になるならば全ての手段を動員して、被害を受けている自営業者・中小企業・中国現地の在外国民の苦労を解決するために努力する。賢明な外交、均等のとれた外交が必要だ。

崔星崔星

THAADの問題は韓国の安全保障ならびに経済と直結している。賛成か反対か、平壌に先に行くのか、米国に先に行くのかなどを呑気に議論する問題ではない。

被害対策、国会同意の手続きを今すぐ黄大統領代行は始めるべきだ。私が大統領になるならば、金大中大統領式の包括的一括妥結方式で、北朝鮮の核、THAAD問題を解決する。

李在明李在明

THAADが国家の安全保障の助けになるならば、私が反対するはずがない。THAADは韓国の安保にプラスでないばかりか、中国からは経済報復を呼び、米国との関係は屈辱的な従属関係にし、日本との関係も非正常的なものにする何の意味もない政策だ。

間違った時は正常に戻すべきだ。大変だからと諦めてはならない。国益中心の自主的な均衡外交の原則を必ず守らなければならない。THAADは米国に撤回させるべきだ。一部が設置されているが、当選したらこれを原状復帰させる。

唯一具体的で明確な指針を示したのは李在明候補だった。他の候補と違い当選したらTHAADを撤回させ白紙化するという主張で存在感を見せた。




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