共に民主党予備選の緒戦となる湖南地域での投票結果が発表され、文在寅(ムン・ジェイン)元代表が圧勝し、支持基盤の固さを証明した。(ソウル=徐台教)

文在寅候補が60.2%の高得票で1位に

文在寅(ムン・ジェイン)元代表、安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事、李在明(イ・ジェミョン)城南市長という人気候補三人を擁する共に民主党予備選の緒戦結果が発表され、文在寅氏が圧勝した。

3月27日共に民主党予備選。
3月27日午後、光州市内で湖南地域予備選に臨む共に民主党の候補たち。左から安熙正、文在寅、崔星、李在明の各氏。同党HPより引用。

27日午後2時、光州市内の体育館で行われた湖南地域(ホナム、全羅南北道、光州市を含む地域)予備選では、演説の後に同党代議員の投票が行われ、その場で開票された。

結果の以下の票の通り。事前に行われた投票との合算で、文在寅候補が60.2%の得票率で1位となった。2位には20%の票を集めた安熙正候補が、僅差の3位には19.4%を得票した李在明氏となった。崔星氏は0.4%で最下位の4位だった。

3月28日共に民主党湖南予備選結果
3月28日の共に民主党湖南地域予備選の結果。文在寅氏が60.2%で圧勝した。ARS投票で10万人以上が投票しておらず、予備選のシステムについての疑問が一部で呈されている。同党HPより数字を引用。

文在寅候補は当選後、報道陣に対し「今日の結果は政権交代に対する湖南の願いが大きいことを示す結果といえる。今日の圧倒的勝利を力とし圧倒的な政権交代を実現し、湖南の期待に必ず応える」と感想を明かした。

文在寅
演説する文在寅候補。他の3人と比べ、安定感が目立った。同党HPより引用。

圧勝の理由について「道徳的な傷がなく、準備も整っており、すべての地域を支持を得ることのできる地域統合、国民統合候補ということが証明されたのでは」と分析した。さらに「首都圏に行く前に大勢を決したい。忠清圏は安熙正候補の支持が強いが克服してみせる」と今後の抱負を明かした。



安、李両候補は「始まったばかり」、「趨勢は決した」との見方も

2位の安熙正候補は予備選終了後、フェイスブックを通じ「予備選はまだ始まったばかり」とし、「もう一度考えて直してみたら、安熙正です」と自身のスローガンを繰り返し巻き返しを誓った。

一方、3位の李在明候補もやはりフェイスブックで「至らなかったのは私の責任」としながらも「最近の世論調査(平均で8~10%の支持率)を考えると、大いなる結果」と善戦を評価した。さらに「まだスタートしたばかり、李在明は真の政権交代をやり遂げます!」と意気込みを示した。

安熙正
2位に終わった安熙正候補。民主党一筋37年の政治キャリアを強い口調でアピールした。演説の要約は後述する。同党HPより引用。

このように両候補ともに戦意は衰えていないが、文氏が60%を超える得票で圧勝したことにより、今後の見通しは厳しいのが現実だ。

当初、韓国各紙による湖南地域における文氏の得票予想は、50~55%程度、安氏と李氏で半数を取る可能性もあるというものであった。

それが文氏単独で60%に達したことで、決選投票にもつれこむこともなく、このまま残る予備選も圧勝で終わるのではないかという論調が高まっている。

李在明
僅差の3位に終わった李在明候補。危機迫る表情で、韓国の未来のビジョンを語り尽くした。演説内容は後述。同党HPより引用。

とはいえ、29日には安氏が道知事を務める忠清南道を含む忠清圏での予備選があり、候補が決まる4月3日には李氏の地元・城南市を含む首都圏での予備選が予定されている。

両氏ともに今回の敗北を機に、より鮮明な論調で文氏の牙城切り崩しを図ると見られ、行く末が注目される。




三者三様の演説 文在寅「2018年に改憲を完了」

なお、この日、四人の候補は、持ち時間10分の演説をそれぞれ行った。崔星氏を除いた有力候補の演説を要約した内容を添えたい。それぞれの立場が出ていて興味深い。

特に文在寅候補は「2018年に改憲を終わらせる」と改めて明言するなど、具体的な政権運営の青写真を語った。安氏、李氏は自身の政治的背景を人生の歩みと共に語り、並々ならぬ意気込みを明かした。

文在寅文在寅

昨年の総選挙で、わが党は湖南の心を得ることができませんでした。しかし、同志の皆さんは党を支えてくれました。そして今やわが党は、全国で政権交替の希望となりました。代議員同志のみなさん、尊敬します。

前回の選挙では申し訳ありません。私の不足でした。湖南の敗北ではありません。二度と湖南に挫折感をもたらさないように準備してきました。切迫した気持ちで党を変え、政策を準備し、人を集めてきました。新政府の国政運用の設計図が完成しました。今は自信があります。準備が整った大統領として政権交替を成し遂げると自信をもって報告します。

今回の選挙は積弊勢力の集権延長なのか、完全に新しい大韓民国なのか分かれ目になる歴史的な選挙です。完璧に、圧倒的に勝たなければなりません。残る43日、どんな変数があってもいけません。検証されていない候補では危険です。

検証が終わった候補、道徳性にキズの無い候補、どんな攻撃にも倒れない候補、泰山のようにどっしりとした候補は誰ですか?(客席から文在寅コール)最も完全な、最も確実な政権交代は誰ですか?(客席から文在寅コール)

私は湖南に圧倒的支持を求めます。政権交代をしても国会では多数ではありません。積弊勢力の力もあなどれません。私たちは積弊勢力と手を結ぶのでも、国民よりも前に行く過激さでもなく、国民の支持のみを頼ります。だからこそ、51対49ではない、圧倒的な大統領選での勝利が必要です。

圧倒的な予備選の勝利だけが、圧倒的な本選での勝利を作り出せます。手伝ってくれますか?みなさん?

積弊の清算、完全に新しい韓国を作るためには5年では足りません。ここにいる候補者たちはみな優れており、未来の指導者になる人たちです。しかし、今すぐには難しいです。十分な準備ができていません。今回は私が先に、政権交代の扉を開きます。同志たちが次、その次に民主党の政府を受け継いでいけるように、私が新時代を開きます。

だからこそ今回は文在寅だ、先に文在寅で政権交代をしよう、これが2017年の湖南の命令だと考えますが、皆さん同意しますか?

私が大統領になったら、湖南は最も重要なパートナーになります。第三期民主政府は、真の民主共和国の時代を実現します。「5.18民主化抗争」の精神を憲法に記します。そして人事においても「大蕩平(18世紀の李朝時代の政策で、党派に均等な人事登用のこと)」を約束します。湖南の若者に対する差別を無くします。湖南の人材を党で育成します。

湖南の疎外を無くします。湖南の雇用を作り出す文在寅、経済復興を成し遂げる文在寅として評価されるようにします。

金大中大統領が成し遂げられなかった東西和合の夢、盧武鉉大統領が実現できなかった地域構図打破の夢、私が成し遂げてみせます。歴史上はじめて、湖南、嶺南、忠清、全国で均等に支持される「統合大統領」、保守と革新を超える国民統合大統領をやり遂げます。私、文在寅だけが成し遂げられます。

5月9日、政権交代を成し遂げ、9日後(5月18日)の「5.18民主抗争記念式」に第19代韓国大統領として参席します。そして同志たちと共に声をからして「イムのための行進曲」を歌います。(大歓声)。2018年に改憲を完了させます。

同志のみなさん、完全に新しい韓国をこの文在寅と共に作ってくれますか?私、文在寅に圧勝をください!必ず勝利します!




李在明李在明

誰一人として朴槿恵弾劾を口にしなかったとき、私は朴槿恵弾劾を主張しました。誰も財閥総帥の逮捕を口にしなかったとき、李在明は李在鎔(イ・ジェヨン、サムスン電子副会長)の逮捕を叫びました。今日、朴槿恵前大統領への逮捕令状が請求されました。誰もそれを口にしなかったとき、誰が主張しましたか皆さん?

国民の後ろについていくのではなく、主権者である民衆の命令に従うことこそが政治です!

今や政権交代は既成事実です。ここにいる誰が候補になっても、政権交代が成し遂げられます。しかし、李在明になる場合には、より良い政権交代になります。

不平等と不公正を無くせ、99%が共に暮らす国を作れ、平和な自主独立の国家を作れと国民は命令しています、皆さん!

腐敗した既得権と闘わなければ清算は有り得ません。清算がなければ曲がったままの国を正せません。既得権勢力に囲まれたり、既得権と手を結ぶのでは、新しい国を作れません!

生涯、既得権勢力と闘ってきた李在明だけがそれを成し遂げられます。大統領になれるのならば、史上最強の、すべての国民が幸せな韓国を作り上げてみせます。

私は「人物はいいけれど勢力がない」と心配ですか皆さん?心配いりません。予備選は勢力を競うのではありません。私たちに必要なのは能力と実力を備えた人物です!

私は小学校を出て、13歳から工場で働いた労働者の出身です。常に殴られ、嗅覚も失い、左手はプレスでつぶされ今も曲がったままです。灰色の作業服を着て工場に向かうときに、制服を着て学校に行く生徒たちがうらやましくて仕方ありませんでした。それで大学に入ったときは、誰も着ない大学の制服を作って、母の手を握って入学式に行きました。

家庭の事情のために(以前、母に暴力を振るった実の兄とケンカする音声が録音され、全国に流布された)皆さんにご迷惑をおかけしました。申し訳ありません。私が我慢するべきでした。

私はこれまで、個人的な栄達の道を捨て、人権弁護士として、既得権と闘ってきました。その過程で前科者にもなりました。しかし、今後も闘っていきます。

今回の政権交代は、ただの大統領の交代ではなく、世の中を変える真の交代、真の革命の完成にならなければなりません。若者が「ヘル朝鮮」からの脱出を夢見る、出産も拒否し、10%の金持ちが所得の50%を独占し、50%の国民が5%をめぐって争う、毎年18000人が自殺する非正常の国、このような国を変えなければなりません。

法の前に平等な国を作らなければなりません。米国にも堂々と「NO」と言うことのできる、南北が平和に統一に向けて歩んでいける国を作りたいです。

私はこれまで、正しいと思うことは票数が減ると分かっていても主張することはしてきました。THAADにも反対したし、財閥の増税も訴えています。

皆さんが私を選んでくれるのならば、金九先生が成し遂げられなかった自主独立の夢を、金大中大統領が成し遂げられなかった平和統一の道を、盧武鉉大統領が成し遂げられなかった反則と特権のない国という夢を、そして私たち皆の夢である、皆が仲良く、皆が幸せに暮らせる大同の世の中を、わたし李在明が皆さんに作って差し上げます。歴史上最強の大統領になります。




安熙正安熙正

私たちはみな同志です。私たちは韓国の民主主義の歴史の同志です。

私は1980年の光州民主化運動を知って革命家を志し、その道を歩んできました。そして私は1997年、歴史上はじめての平和的な政権交代の歴史を作り上げました。

2002年、湖南に孤立した民主党を盧武鉉大統領を共に私も守りました。そして奇跡のような政権再創出の瞬間を盧武鉉大統領と共に作ってきました。私は37年間、民主党の歴史に忠誠を尽くし、歴史を共にしてきました。

私は今、忠清南道知事を7年間務めています。保守的で野党の弱い地域で、全国一の道政支持率を得ています。民主党のフロンティアを開拓してきました。その結果、民主党も堂々と湖南での孤立を抜け出し、韓国のすべての地域で支持を得るようになりました。

韓国の政治は危機に瀕しています。これ以上、理念の政治にとどまってはなりません。新しい韓国を作りたいです。安全保障と統一をまとめることのできない、この国の現実を克服したいです。

私はこれ以上、祖国の分断を呼んだ政党政派、政争の歴史を続けさせたくありません。より高い水準の韓国を作りたいです。

野党に対し地域主義といい、野党に対し従北と言いさえすれば当選した、韓国の傾いた政治地形をこれを必ず終わらせます。

最近になって、私が右傾化したと言われますが、右傾化ではなく、民主化を完成させるための私の新しい道です。政争を終わらせなければなりません。右傾化ではなく、新しい道です。金大中・盧武鉉の挫折の歴史を克服しなければなりません。

今が旬の私に機会をください。新しいビジョンを持って、もっとも確実な国民の支持を得られるのはわたし、安熙正です。2002年盧武鉉の奇跡を今日、作り出してください。