(6)北朝鮮の核問題はどう解決?南北交流再開は?

ホン・ジェピョ政治部長(CBS):北の核問題の解決策を提示したが(中国を説得し6者会談を再開、米国を説得し米朝関係改善を誘導、北を説得し対話の場に引き出すなど)、北の核ミサイルは実戦配備間近となっている。具体的な案があるのか。

文候補:李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)が北の核問題において、惨憺たる失敗をした事実は認めるべきだ。「北が先に核を放棄しない限り何もしない」と宣言し、実際に何もしない間に北では核が高度化されていった。米国も同様だった。

今、米国がやっているのは、北を交渉テーブルに引っ張りだすための努力であると断言する。そんな中、韓国は今の政策を続ける限り「見物客」になってしまう。そのため、これからは我々が主導しなければならないというものだ。多者外交を通じて、北の核の完全な廃棄、平和協定、米朝関係の正常化が包括的に行われるべきだ。

一度にやるのは難しいので、段階的に行う。一段階目は、北が核の高度化努力の一切を中止し、核を凍結するための検証可能な措置を行うものだ。二段階目は完全な廃棄となる。

ホン政治部長:どうやって北を説得するのか。

文候補:相応の措置を行っていく。北が核の凍結を行う場合には、それに応じ、米韓軍事訓練を縮小することもできる。核開発にこれまで多くのお金を使っただろうが、米朝関係が正常化するならば、それよりも大きな額の補償を受けることもできる。要はどうやって包括的な解決を実現するかだが、それは多者間外交にかかっている。

ホン政治部長:開城工団と金剛山観光の再開に条件はあるか?

文候補:少なくとも、北との間に対話を行う局面になってこそ可能だ。核を凍結し、交渉テーブルに座る段階で開城工団と金剛山観光を再開できると考える。これは繰り返し伝えてきた。また、北が6度目の核実験を行う場合には、韓国政府との対話は相当な時間のあいだできなくなるので、北の国際的な孤立はいっそう進むことになる点を警告しておく。




(7)配置完了のTHAADにはどう対応?

イム選任記者(MBC):今、もっとも注目されている問題であるTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)について聞きたい。文候補は「なぜこんなに急ぐのか分からない」、「次期政府に任せなければならない」という立場であったが、米国の動きは早い。もし10日あまりの後で大統領に就任する際に稼働していたならばどうするのか?撤収させるのか?

文候補:外交とは、与えられた現実の上で可能性を探るものだ。THAADの部品が星州のゴルフ場に配備されたのと、これが運用されるのは別の次元の話だ。まだ環境影響評価が行われていないし、住民への説明会も不十分だ。私は、米国、中国、そして北朝鮮と対話する余地が残っていると見る。

さらに国内では国会の批准をはじめとする公論化の過程を進める余地がある。米国と同様、われわれも民主主義国家であるため、議会の承認という民主的な手続きがいることは米国も認めてくれるだろう。大統領になったら、この点をもってトランプ大統領と対話し、問題を順に説いていく。安全保障は維持しつつ対中関係の毀損の防ぐ合理的な決定を行う。

(8)「韓国抜き」で周辺国による朝鮮半島への対応が行われているが?

イム選任記者:核問題をはじめとする朝鮮半島問題が韓国抜きで語られている。4大強国(米国、中国、ロシア、日本)との外交がこじれている。

文候補:朝鮮半島の問題だけは我々が主人であり、我々が主導するという明確な姿勢が必要だ。過去、金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の時に、米国がわれわれを無視し、一方的に北朝鮮政策を進めるのを見たか。今の状況を招いたのは李明博、朴槿恵政府だ。米国に任せっきりにしたので、米国はもはやわれわれの意見を聞く必要もない。

だが、我々と北とが活発に対話をする場合には、米国と中国は情報面で韓国に依存することになり、その存在を無視できなくなる。われわれが重要な情報を出せば、それに相応する重要な情報を提供してくれる。米国や中国に主張するためには南北関係を主導するほかにない。国力で米国や中国にどう立ち向かうというのか。この部分は国家を運営する人々が必ず頭に入れるべき問題だ。

文在寅討論会写真
一時間のあいだ、会場は緊張した雰囲気に包まれていた。50人近いメディアが取材に訪れていた。筆者撮影。

(9)国防費引き上げ計画、戦時作戦権の返還、原潜導入について

ホン政治部長(CBS):他の大統領候補と同様に、文在寅候補も国防費の引き上げを公約にしている。とはいえ、これまで多大な金額をかけてきたのに、戦時作戦権の返還(編注:戦争時の軍指揮権は現在、韓米連合司令部にある。これを韓国軍のみにすること)もままならなかった点について、しかるべき人物に責任を取らせる必要があるのではないか。

北朝鮮だけでなく、潜在的な脅威に対抗するために海軍、空軍の戦力増強がいる。原子力潜水艦の導入計画をどう見るか。

文候補:国防費をGDPの3%まで漸次引き上げる公約だ。毎年0.1%ずつ上げていく。これを通じ、量ではなく質の軍へと変えていくことで、戦時作戦権を行使できる実力を備えていく。その間、戦時作戦権が返還されなかったことについて、責任を問うつもりはない。戦時作戦権を行使できるかの評価と判断はそれぞれ異なる。

韓米連合司令部をそのまま維持しながら、現行の司令官が米軍、副司令官が韓国軍という順番を変え、司令官を韓国軍が、副司令官を米軍が務めるようにする。独自に戦時作戦権を行使したことがないので準備を進めていく。

原潜は複雑だ。原子力国際協定に違反しないが、核燃料となる物質を米国から購入しなければならない。ただ、現行の米韓原子力協定では禁止されている。原潜を持つ時期が来たということで、米国と原子力協定の改定を議論する。




(10)大統領の執務室を光化門に移せるか?

チュ・ウノ解説委員室長(YTN):大統領の執務室を光化門(政府中央庁舎)に移すと公約した。しかしこれは警護上の問題から簡単ではない。どうするつもりか?

文候補:現在の大統領警護室を、警察庁参加の大統領警護局に移管する。警護についてはホワイトハウスを見ても分かる通り、そんなに厳重に警護する時代ではない。逆に国民を近くに会えなければならないと見る。

光化門ということで、通勤ラッシュ時の「迷惑」になることも考えられるが、今は信号を統制すれば市民に大きな不便を呼ぶことはない。

青瓦台(大統領府)を市民にお返しするが、必要な部分はある。(非常時に使う)地下バンカーや迎賓館は必要だし、ヘリポートも継続して使うようにする。それ以外の施設とスペースを市民に開放し、歴史文化博物館や歴代大統領記念館などにしたい。

文在寅写真
討論会終了後、記念写真を撮る文在寅候補。筆者撮影。