4月29日に行われた23度目の「ろうそくデモ」。筆者は取材の傍ら、20人の参加者に9日の大統領選挙での投票先を聞いた。内容は特段驚くものでは無かったが、韓国市民の考えの一端を知る資料として公開する。(ソウル=徐台教)

関連記事:[韓国大統領選D-9]投票日前最後の「ろうそくデモ」では民心を強調…THAAD阻止、性的少数者の権利などを主張(4月30日)

80%が「文在寅候補へ投票」と

言うまでもないが「ろうそくデモ」参加者のほぼすべては、野党支持層と見てよい。このため、そもそも世論調査のサンプルとしては全く役に立たないものである点を断っておく。

結果は以下の表の通り。文在寅候補16名、沈相奵候補2名、安哲秀候補1名、洪準杓候補1名、劉承旼候補を選択した人はいなかった。

年齢層は20代4人、30代4人、40代6人、50代3人、60代1人、70代1人であり、男女比は男性9人、女性11人だった。

4月29日のろうそくデモ参加者20人に聞いた投票先
4月29日のろうそくデモ参加者20人に聞いた投票先。筆者作成。

価値が少ない調査とはいえ、いくつか興味深い点はあった。まず、共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン、64)候補に投票する人々が80%(16人)に上ったことだ。これは予想外に多かった。

また、その16人のうち4人が正義党の沈相奵(シム・サンジョン、58)候補に投票したいが、「当選可能性を考えて」(50代女性)、「文在寅候補が60%近い圧倒的な票差で勝つ必要があるから」(20代女性)などの理由から文在寅候補に投票するとした。本来ならば6人、30%の支持を集めていたことになる。

一方、文在寅候補と同じく「積弊の清算」を語り、「新しい政治」を主張してきた安哲秀(アン・チョルス、55)候補への支持が低調であった点も興味深かった。既存の左派層の人気は低いという世論調査の結果を再確認したかたちだ。

インタビューをする筆者(左端)。
インタビューをする筆者(左端)。

また、従来は朴槿恵前大統領の熱心な支持者であったが、一連の「崔順実ゲート」の実態、そして「ろうそくデモ」への参加を通じ支持者を変えた60代女性(舞台女優)の話も興味深かった。社会の抜本的な改革を主張する李在明(イ・ジェミョン)城南市長を支持していたが、共に民主党の予備選で同氏が落選したため、似たような主張の沈相奵候補を選んだという。

最後に話を聞いた40代男性は、唯一の洪準杓(ホン・ジュンピョ、62)候補の支持者だった。「混乱の時代には強い指導者がいる」と公言しつつ、文在寅候補を支持する友人たちと楽しそうに行進に参加していった。