9日、韓国の野党三党の代表が一同に会し、前日に朴槿恵大統領が提案した「国会による総理推薦案」を正式に拒否した。同日、米国では大方の予想をくつがえし共和党のドナルド・トランプ候補が次期大統領に当選。米国の朝鮮半島政策に変化が予想され「国政混乱の早期収拾」が叫ばれるなか、野党はこれといった答えを出せずにいる。政局を整理した。(ソウル=徐台教)

大統領は国政を行う資格がない

一同に会した野党三党の代表たち。左から朴智元・国民の党非常対策委員長、秋美愛・民主党代表、沈相奵・正義党代表。写真は民主党HPより引用
一同に会した野党三党の代表たち。左から朴智元・国民の党非常対策委員長、秋美愛・民主党代表、沈相奵・正義党代表。写真は民主党HPより引用

11月9日は野党の動きが目立った。民主党、国民の党、正義党の野党三党の代表は9日、国会で会合を持った。会談後の記者会見の席では一致して朴槿恵大統領に対する批判が噴出した。少し長いが、それぞれの代表が語った内容を引用する。風向きをうかがっていた民主党が即時下野を強調してきた他二党に同調したことで、方向性がまとまりつつある。

1110_2民主党・秋美愛(チュ・ミエ)代表
「主権者である国民が、大統領の退陣を要求している。強硬だからではなく、朴槿恵大統領がすでに国政運営の能力と道徳的な資格を喪失したと客観的に国民が判断しているからです。それにも関わらず、朴大統領は『一線を退く』のでも『退陣』でもなく『そのまま目をつぶって見過ごしてください』というのです。こうした姿勢に国民は怒りを募らせているのです。朴槿恵大統領はもはや、内治(内政)だろうが外治(外交・安保)だろうが(国政を行う)資格がない。(中略)大統領は主権者である国民に跪かなければならない。民主党は国政が正常化する道を探す」

1110_3国民の党・朴智元(パク・チウォン)非常対策委員長
「われわれ国民は今も、怒りと不安の中にいます。その怒りは来たる12日、光化門で最高潮になって噴出するでしょう。大統領はこうした不安を無視して、小細工を弄しています。これを許すことはできません。(中略)後任の総理の責任がどこまでであるのかを決めなければなりません。これについて答えが無い場合、われわれは12日、民心と共にろうそくを掲げざるを得ません」

1110_4正義党・沈相奵(シム・サンジョン)代表
「韓国は今、事実上の大統領欠位状態にあります。(中略)一刻も早く、野党は一致した解決策を導き出す必要があります。いま、国民が大統領に聞きたいことは一つだけです。大統領自身が何を間違え、どんな責任があり、今後どうするのかを聞きたいのです。今回の事態は『朴槿恵・崔順実ゲート』です。単純な権力型の汚職ではありません。憲政の蹂躙、憲法破壊行為です。朴大統領をどうするのかについての立場の整理が必要です。統治能力を失った朴槿恵大統領を、そのまま抱えていくことが果たして国益のためになるのかについて、国民のあいだでは問題意識がとてもはっきりとしています。この点について、野党間で立場の整理が必要だと思います」

野党三党は合わせて、12日にソウルの光化門広場を中心に全国で予定されている、大規模な「ろうそくデモ」に正式に参加することを表明した。これにより、12日は多くの「動員」が見込まれることとなった。なお、野党三党が正式に、そして一致して現場に立つのは、「崔順実・朴槿恵ゲート」勃発後はじめてのことである。

今後の政局シナリオ三選。どれになるかはまだ分からないという声が多数を占める。
今後の政局シナリオ三選。どれになるかはまだ分からないという声が多数を占める。

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