明日に迫った「民衆総蹶起(決起)」ろうそくデモ。「朴槿恵・崔順実ゲート」を受け、大統領の即時退陣を迫る韓国史上に残る大規模なデモになることが予想されている。市民側と政府側、そして政治家たち。それぞれの思惑をまとめた。(ソウル=徐台教)

主催者は60~70万人の参加と見通し

11日午後、ソウル市内で一連のデモを主催する「民衆総決起闘争本部(以下、闘争本部)」の記者懇談会が開かれ、12日のデモについて、主催者側幹部より細やかな説明があった。筆者も参加して話を聞いた。

11日の「民衆総決起闘争本部(以下、闘争本部)」の記者懇親会の様子。多数のメディアが詰めかけた。
11日の「民衆総決起闘争本部(以下、闘争本部)」の記者懇親会の様子。多数のメディアが詰めかけた。

この席で、闘争本部のパク・ソクウン共同代表は「徹底した平和行進を行う」と明言した。さらに「一部警察の挑発行為を受けても最大限に我慢し、衝突を最大限回避する」と付け加え、警察による過剰対応を警戒した。

当日は午後2時から、ソウル各地で多彩なデモが予定されている。光化門広場では人気芸能人のトークコンサートが開かれる一方、ソウル駅周辺では農民団体や青少年、女性などの世代、主題別のデモが開かれる。こうしたデモ隊は午後4時にソウル市庁前広場に結集し、「民衆総決起」集会を正式にとり行う。

さらに午後5時からは五つのコースに分かれ、北側にある光化門広場を経て、景福宮やその先の青瓦台(大統領官邸)を目指す行進を開始する。そして午後7時半から景福宮~光化門一帯で行われる「国民大行動(汎国民行動)」で「朴槿恵大統領下野」を叫ぶ声はピークを迎えると見られている。

明日午後2時に行われるテーマ別デモの一覧。民衆総決起闘争本部HPが作成した。
明日午後2時に行われるテーマ別デモの一覧。民衆総決起闘争本部HPが作成した。

パク共同代表は「最大で6~70万人の参加が予想される」と記者団に語る一方、この日のデモはソウルに結集して行われるため、地方では小規模にとどまるとした。闘争本部の中心的な構成組織である「全国民主労働組合総連盟(民主労総)」は、1995年の結成以来最大となる15万人が全国からソウルに集まると確言した。

ポリスライン「破格的」譲歩

一方の警察は11日、デモ隊に対し、青瓦台周辺までの行進を「許可」した。韓国のデモは許可制ではなく申告制だが、警察は交通渋滞などの理由で、デモの場所を制限することが多かった。警察は16万から17万人の参加者を予想し、2万人の警察官を動員し警備にあたるとした。

警察が5日のデモよりもポリスラインを大幅に北側に後退させ、青瓦台まで約200メートルに過ぎない道まで行進できるようにしたとの知らせが11日に広まったが、午後6時現在では情報が確定していない。いずれにせよ譲歩の背景には、先月29日、今月5日の二度のデモが平和裏に行われたことが大きいとされる。韓国メディアは警察の譲歩を「破格的」と評している。

政府も国民の怒りを理解しているのか、11日午後、政府中央庁舎でイ・ジュンシク副総理による国民への談話を発表し「明日のデモが(これまでと)同じように合法的で平和なデモになるよう、国民みなさんの協力をお願いします」と「お願い」した。

ただ「デモが違法な集団行動や暴力事態に変質し、健全な意見発表の場が傷つきはしないかと憂慮しています」との警告も忘れなかった。農民団体「全国農民会総連盟(全農)」のキム・ヨンホ代表は冒頭の記者懇談会で「農機をデモに参加させる」と語っており、警察との衝突が懸念される。




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