先週12日の大規模デモをピークに収束に向かうと見られていた韓国の政局は、未だまとまらない。野党三党は「無条件退陣」で、青瓦台(大統領官邸)と与党の一部は「退陣はない」と意見をまとめ、正面から激突する兆しを見せているが、野党側はギクシャクしている。そんな中、朴槿恵大統領側が当初、今週内に予定されていた検察の調査を拒否するにあたり、市民社会は「史上最大」と呼ばれた12日のものより、さらに大きなデモをもって民意を伝える構えだ。政局をまとめた。(ソウル=徐台教)

野党最大の実力者・文在寅氏の「参戦」と野党の不協和音

本紙でもお伝えした通り、15日午後、最大野党民主党の文在寅(ムン・ジェイン)元代表は記者会見を開き、「朴槿恵大統領の無条件退陣」を迫り、自らも「国民とともに全国的な退陣運動に乗り出す」とした。文元代表は、次期大統領候補を問う世論調査で、不動の1位だった潘基文(パン・ギムン)現国連事務総長を抜いて2週連続で1位になった「大物」だ。

文元代表の記者会見により、秋美愛(チュ・ミエ)民主党代表がもたらした「民主党の危機」を回避したかっこうだ。秋代表は14日、「抜け駆け」的に朴大統領との単独会談を申し込んだことで党内はもとより、世論の強い批判にさらされた。次いで、批判を受け一方的に会談を取りやめたことで、与党やメディアから「無責任だ」と集中砲火を浴びていた。

一方、38の議席を持つ第二野党「国民の党」の顔であり、次期大統領選の有力候補の一人である安哲秀(アン・チョルス)元代表も16日、国会で記者会見を開き「遅くとも来年の上半期までには大統領選挙が行われ、新たな指導者が選ばれなければならない」とした。15日にはソウル駅前で行った演説でも安氏は「一切のブレもなく、退陣運動を展開していく」と宣言している。

民主党が設置した「朴槿恵大統領退陣 国民主権運動本部」。16日に国会で発足した。写真は民主党HPより引用。
民主党が設置した「朴槿恵大統領退陣 国民主権運動本部」。16日に国会で発足した。写真は民主党HPより引用。

ただ、同党の朴智元(パク・チウォン)非常対策委員長は16日の同党・非常対策会議で文元代表の態度表明そのものは歓迎しつつもその内容には遺憾の意を示した。「文元代表の示した(朴大統領退陣までの)ロードマップが実行可能か疑わしい」というのだ。

この日、民主党が示した「ロードマップ」は以下の通り。

(1)朴槿恵大統領とセヌリ党は、国民と野党が要求する別途の特別検察と国政調査を即時受け入れ、大統領はその捜査に応じる。
(2)権力維持のための一方的な総理候補の使命を撤回し、大統領は今すぐ国政から手を引き、国会が推薦する総理を受け入れる。
(3)これらの要求が受け入れられない場合、民主党は国民と共に政権退陣運動に乗り出す。

国民の党の「ロードマップ」はこうだ。

(1)大統領の与党・セヌリ党の脱党(出党)
(2)4者領袖会談(大統領プラス野党三党)を通じた総理の推薦
(3)崔順実(チェ・スンシル)、禹柄宇(ウ・ビョンウ、元青瓦台民情主席秘書官。検察に多大な影響力を持つ)一味を除去する人的な清算および挙国中立内閣の構成
(4)大統領が検察捜査、国政捜査、別途特別検察捜査を通じた秩序ある退陣

こう比べると、野党の足並みがそろっていないことが分かる。文元代表も「すべての野党と市民社会、地方まで加わる非常機構を通じ、膝を突き合わせて退陣運動の全国民的拡散を論議し、推進していきます」と記者会見の席で語ったが、「合意がない」というのが野党の現状である。「一枚岩」とはとても言えない。




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