難関その4:市民・労働団体の総ストライキ

以前の記事でも言及した通り、その間「ろうそくデモ」を主催してきた、市民・労働団体は今週30日に「朴槿恵政権の即時退陣」を要求し、「民衆総ストライキ」と称する全国規模のストライキ(ゼネスト)を行う。

ゼネストは「第1次総ストライキ-市民不服従の日」と位置付けられ、韓国三大労組のひとつである「全国金属労働組合(金属労組)」から15万人が参加、ほかにも「公共運輸労働組合」、「建設産業連盟」、「サービス連盟」などの組合員、計35万人が総ストライキに突入する予定だ。

28日午前、ソウル市内で行われた「第1次総ストライキ-市民不服従の日宣布」記者会見の様子。
28日午前、ソウル市内で行われた「第1次総ストライキ-市民不服従の日」宣布記者会見の様子。

ほかの「公務員労組」や「全国教職員労働組合」などは総ストライキの代わりに、代休や早退、有休休暇を利用しストライキに同調する。また、全国の露天商が加入する「全国露天商総連合」も店先に「朴槿恵退陣」ステッカーを張るなどして、政治的意思を示すとのことだ。

28日に行われた記者懇願会の席で、「全国民主労働組合総連盟(民主労総)」のキム・ウクトン副委員長は「市民のろうそくの力に、労働者によるストライキの力を足すもの」と運動を定義した。さらに、「民主労総25年の歴史の中ではじめておこなう政治ストライキだ。合法・非合法との判断も含め、事後に多大な対価を払うことになるかもしれないが、政権に止めを刺し、正義の実現する社会を作るために決行する」と強い意気込みを示した。

また、全国の大学約30校の学生会も25日より「同盟休校」を行い、政治的意思を示している。30日には、ソウル大学総学生会なども同調する構えだ。さらに、地方からトラクター200余台を率い青瓦台(大統領府)前で「農政破たん非難デモ」を企画するも、警察の阻止により霧散した「全農(全国農民会総連盟)」も再度トラクターを市内に持ち込み、抗議の意を示すという。

こうした一連の動きは週末に行われている「ろうそくデモ」の精神を平日に持ち込むという、運動の「発展」を目指すものだ。87年6月の民主化闘争のように、20日以上にわたり市民が持ち場を放棄し、政権に「NO」を突き付ける「意思表示の日常化」が、朴槿恵政権の致命傷になり得ると市民・労働団体側は見ている。さらに、週末の「ろうそくデモ」も朴大統領が退陣するまで無条件に続けると明らかにしている。また、野党政治家に緊張感を維持させる役割も果たすとした。「民主労総」幹部によると「国会の弾劾とはまったく別の運動として展開するもの」だという。

大筋では変わらない見通し

最大野党「民主党」の秋美愛(チュ・ミエ)代表は、朴大統領の談話の後すぐに開かれた議員総会で「大統領はすべての責任から逃れるための目くらましを最後まで行うつもりだ。(中略)先ほど私たちは、憲法が定め付与した憲法守護機関として、国会議員として憲法守護のための良心にしたがい弾劾発議の署名を開始した」と、今後の日程が変わらないことを示唆した。

先月以降、朴槿恵大統領が一貫して示してきた「われ関せず」「やれるものならやってみろ」という態度は、議員のみならず、市民の心をこれ以上ないほど頑なにしている。この状態では、朴槿恵大統領の「提案」は一顧だにされない可能性が高く、朴大統領が目論んだ情勢の転換という効果は得られないだろう。

「ろうそくデモ」を主催してきた「朴槿恵政権退陣・非常国民運動(略称:退陣運動)」は29日夕刻に発表した緊急声明の中で「朴槿恵大統領の去就は市民が決めた。今すぐ辞めろということだ」とし、「今週末の『ろうそくデモ』でも即時退陣を求めていく」と宣言した。

もちろん、談話を受け、責任総理任命の件など、その間棚上げにされてきた話が議題にのぼる可能性はある。だが、韓国の国民の多くは真相の究明と、大統領が罪に見合った相応の処罰を受けることを強く望んでいる。この大筋、そして日程がぶれることはまず無いと見るべきだろう。