弾劾案が野党分裂により漂流し、一時は混迷に陥るかと思われた政局。今回も政治家の尻を叩いたのは市民だった。ふたたび歩調を合わせた野党三党は3日未明、弾劾案を発議した。一方で、「朴槿恵後」の民主主義についての議論と実験が進みつつある。(ソウル=徐台教)

白旗を揚げた国民の党 弾劾案発議で9日票決

1日の23時に前回の記事を書いた時点では、「国民の党」は早期弾劾から弾劾から一歩引いていた。与党セヌリ党の「非朴槿恵派」の弾劾賛成票が議決に必要な28票にとどかないかもしれない、という根拠から、従来通り「1日発議、2日国会票決」を固持する「民主党」ならびに「正義党」と対立したのだった。

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「国民の党」の主張は「9日でも遅くない」というもの。これは、与党内の「非朴」が朴大統領に提示した「8日夜までに4月末での退任を明言すれば弾劾はない」という提案への同調ととられかねないもので、野党や世論からの批判が高まるや同党は「5日票決」という仲裁案を出した。だが、5日は国会本会議開催の正規日程ではなく、開催にも与党の協力がいることからも「意味のない提案」であった。

これがわずが半日でひっくりかえった。野党三党の院内代表は2日午前、会合を持ち「いかなる場合でも野党が共調し、弾劾案を可決させることと、2日本会議で弾劾案を発議すること」に合意した。

2日の野党三党会議で合意する各院内代表。左は「国民の党」朴智元院内だ票、真ん中は「民主党」の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表。明るい表情だ。
2日の野党三党会議で合意する各院内代表。左は「国民の党」朴智元院内だ票、真ん中は「民主党」の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表。明るい表情だ。

そしてついに3日午前4時10分、野党三党は「朴槿恵大統領弾劾訴追案」を国会に提出した。時間が遅れたのは来年度の予算審議が長引いたためだ。弾劾案は8日の本会議で報告され、9日に票決となる。

これに先立ち、2日午後1時半に行われた「国民の党」の非常対策委員-国会議員会議の冒頭で、朴智元(パク・チウォン)非常対策委員長兼院内代表は「弾劾のために様々な陣痛があった。国民の党がしっかりしていればこんな事にはならなかったという点について、国民には重ねて謝罪する。(中略)誰よりも私の責任が非常に大きかった」とこうべを垂れた。

国民の党は前日まで「否決が目に見える弾劾案を発議したところで歴史の罪人になるだけだ」と強い口調で野党を攻撃していた。わずか数時間のあいだに態度を「改めた」裏には「市民」の圧力があった。




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