朴槿恵大統領は6日午後、与党「セヌリ党」執行部と会談し、弾劾訴追のプロセスにしたがう姿勢を伝えた。9日の国会本会議で弾劾案の可決が確実視されるなか、今後の政局日程を探った。(ソウル=徐台教)

朴槿恵大統領「弾劾を受け入れる」

当初、朴槿恵大統領は6日もしくは7日に、4度目の国民向け談話を行うものと見られていた。先月29日の3度目の談話とは異なり、退陣にあたり「国会の同意」などの条件を付けず、退陣時期を明確にすることで9日に迫った「弾劾票決」を霧散させる最後の勝負手を打つとされた。

だが6日、朴大統領がセヌリ党執行部の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)代表と鄭鎮碩(チョン・ジンソク)院内代表に伝えたのは「弾劾訴追の手続きを踏んで、(国会で)可決されても憲法裁判所の過程を見ながら、国家と国民のために冷静に淡々と進む覚悟ができている」というものだった。

筆者は個人的に「進む」という部分を「去る」と解釈したが、韓国メディアでは「進む」と解釈し「弾劾に従い、自ら退陣はしないという『長期戦宣言』」ととらえる向きが強く、市民団体も強く反発している。4度目の談話は無いとされる。

6日午後、朴槿恵大統領との55分にわたる面談を終え、セヌリ党議員総会に臨む同党執行部の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)代表と鄭鎮碩(チョン・ジンソク)院内代表。写真はセヌリ党のHPより引用。
6日午後、朴槿恵大統領との55分にわたる面談を終え、セヌリ党議員総会に臨む同党執行部の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)代表と鄭鎮碩(チョン・ジンソク)院内代表。写真はセヌリ党のHPより引用。

3度目の談話との違いは?

先月に29日にあった3度目の談話は、局面を揺さぶることに成功した。おもに与党セヌリ党内の「非朴槿恵派」と、第二野党「国民の党」を刺激、2日の「弾劾票決」でまとまりつつあった野党三党と「非朴槿恵派」との協調を分断し、一時は弾劾案自体を「漂流」させた。協調の裏に存在する「次期大統領選挙における票計算」という急所を突く、妙手であった。

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だがそれも、わずか「一日天下」に終わった。「ろうそくデモ」主催者側と市民の「脅し」、つまり「デモの対象が朴大統領から野党議員にうつる」という世論により野党は再度結集。「退路の橋を焼き払う覚悟」(禹相虎(ウ・サンホ)民主党院内代表)で、3日未明、国会に弾劾案を発議した。

そして同日夜に全国で200万人以上が路上に出て「即刻弾劾」の声をあげるや、翌4日、与党内の「非朴槿恵派」も弾劾投票に臨むことを言明したのだった。これにより、弾劾案の議決に必要な28人の与党離反者が確実となり9日の「可決=朴槿恵大統領の職務停止」が濃厚になった。

この日の「本大会」には、セウォル号「未収拾者」チョ・ウンファさんの母、イ・クムヒさんがマイクを握った。セウォル号沈没の真相究明、船体の引き上げ、そして娘との再会を語るイさんの姿に多くの参加者が涙した。
この日の「本大会」には、セウォル号「未収拾者」チョ・ウンファさんの母、イ・クムヒさんがマイクを握った。セウォル号沈没の真相究明、船体の引き上げ、そして娘との再会を語るイさんの姿に多くの参加者が涙した。

今回、4度目の談話があるという噂やその内容を見越し、最大野党「民主党」はすでに防御線を貼っていた。6日午前10時半の定例記者会見で、パク・キョンミ報道官は「朴大統領の4度目の談話に心が揺れるのはセヌリ党の議員だけだ。ろうそくの民心は微動だにしない。どんな破格な提案をしても弾劾を免れるにはもう遅い。弾劾を逃れるカードは無い」とした。




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