12月9日、国会で朴槿恵大統領の弾劾訴追案が可決された。同日夜、朴大統領は職務停止となり、最大180日のあいだ憲法裁判所の審理を待つ身となった。憲法裁判所では「認容=朴大統領罷免」が確実視されるなか、次期大統領選挙にのぞむとされる候補9人が、今回の弾劾をどう受け止めたのかをまとめる。(ソウル=徐台教)

次期韓国大統領選の道しるべ

8人の予備候補たちはいずれも9日の弾劾案可決直後に、自身のSNSや記者団へのコメントを通じ、国民への視点を明らかにした。弾劾への評価がなぜ、国民への評価になるのかという点については、最大で232万人(主催者発表)が参加した「ろうそくデモ」こそが、大統領の去就をめぐり党利党略が渦巻いていた政界に道筋を示す役割を果たしたとする見方が、韓国社会では支配的だからである。

第一野党の民主党の候補4人は、大統領の退陣を求めるろうそくデモが弾劾へと結びついた動きを「ろうそく革命」「名誉革命」と称した。さらに、残る4人の候補者も「変革」「革命」などの言葉を使い、朴槿恵大統領の弾劾が政治的な目的地ではなく、通過点に過ぎないとし、真の目的は国家の再建設にあることを強調している。

関連記事「弾劾案可決」に歓喜と涙…12月9日国会前の市民たち [写真特集(35枚+動画4本)]

このことは、来年行われる第19代韓国大統領選挙が、単なる政策を問う選挙ではなく、「新しい韓国」をいかに提示し、いかに実現していけるのかというビジョンを競う「ビジョン選挙」になることを暗示している。そしてその基準となるのが、国民の「想い」であるということが、それぞれの候補者たちの「おべっか」ともとれる国民への激賞から見て取れる。

今回のコメントは将来、候補者たちにとって支点となる重要な内容であるため、少し長くなるが全文引用する。9人の順番は、直近の世論調査での支持率順で、誤差範囲の場合は任意で配置した。翻訳はすべて筆者。

(1)文在寅(前・民主党代表)

1214_1
大統領候補の支持率を問う各種世論調査において、ひと月以上トップに立ち続ける文在寅(ムン・ジェイン)前民主党代表は、弾劾案可決直後、自身のフェイスブックに以下のように書き込んだ。

国民が勝利しました。稜線をひとつ越えました。くらやみの中で国民が照らしてくれたろうそくが道となりました。今日の国会の大統領弾劾議決は、誉れ高く平和的に市民革命を成し遂げた国民の力によります。歴史がその努力を荘厳に記録するでしょう。

この先、新しい稜線がわたしたちの前に立ちはだかっています。大統領の弾劾は終わりではなく始まりです。今は不安な状況と国家リーダーシップの不在を一日もはやく終わらせなければなりません。朴槿恵大統領がすべてを放棄し、国民と国会の願いを受け入れる決断が必要です。

私たちは今、ろうそく革命の中心に立っています。ろうそくは大統領の退陣とともに、不平等、不公正、不正腐敗の「三不社会」の剔抉(てっけつ、えぐり取ること)に向かっています。ろうそくは大統領の退陣を超え、常識と原則の通じる社会、正義が実現した社会に向かっています。

私たちが越えなければならない最後の稜線は、国家の大掃除を通じて、国家の大改造という道に進むことです。国民たちは依然として、寒風の前で国家が進むべき道を照らしています。国民を信じ、迷いなく新しい大韓民国に向けて進んでいきます。国民たちだけがこの国の勇気であり、希望です




次ページ:潘基文、李在明、安哲秀