「AD VITAM」は、2024年製作のフランスのアクション映画です。
監督はロドルフ・ローガが務めています。
あらすじ
元特殊部隊員のフランクは、ある任務の失敗により部隊を解雇され、妻のレオと静かに暮らしていました。
レオは妊娠しており、もうすぐ出産という時期でした。しかし、ある日、彼らのアパートに暗殺部隊が押し入り、レオは誘拐されてしまいます。
フランクは、過去の任務に関係する「証拠品」と引き換えにレオを解放するよう要求されます。フランクは、かつての同僚ベンに助けを求め、妻を奪還するための戦いに挑みます。
フランクは、悲しみと真実への渇望に突き動かされ、父親の記章に付着した血液を分析させます。
そして、衝撃的な事実が明らかになります。犯人たちもまた、特殊部隊の隊員だったのです。
しかし、彼らはフランクとは異なる組織に所属していました。
映画を楽しむためのポイント
この映画を楽しむためのポイントの一つは、アクションシーンです。
主人公のフランクは元特殊部隊員という設定で、その戦闘シーンは非常にリアルで迫力があります。 特に、パラグライダーを使った逃走劇は、手に汗握る展開となっています。 また、回想シーンと現在が交錯する構成も見どころです。
(回想シーンと現在の区切れ目がわかりづらいという声もあります。)
登場人物
物語を彩る登場人物たちをご紹介します。
Character | Description | Role in the Story |
---|---|---|
フランク・ラザレフ | 元特殊部隊GIGN隊員。ある任務の失敗が原因で除隊となり、現在は妻レオと暮らしている。過去を引きずりながらも、妻を救うために行動する。 | 主人公。誘拐された妻を救うために奔走する。 |
レオ | フランクの妻。妊娠中。元GIGN隊員で、戦闘能力も高い。 | 誘拐され、フランクの行動原理に大きな影響を与える。 |
ベン | フランクのかつての同僚。除隊後もフランクと親交があり、彼に協力する。 | フランクの良き理解者であり、重要な役割を果たす。 |
映画に散りばめられた伏線とその回収
映画全体を通して、いくつかの伏線が散りばめられており、それらが終盤で回収されていく様子はこの映画の見どころの一つと言えるでしょう。
- フランクの過去の任務
物語の冒頭で、フランクは過去の任務の失敗により特殊部隊を解雇されたことが示されます。
この任務の内容は、回想シーンを通して徐々に明らかになっていきます。
実は、フランス政府は、アメリカCIAと別の国との武器取引を阻止するために特殊部隊を派遣していました。
しかし、フランクのチームが到着した際に状況が悪化し、悲劇的な衝突へと発展したのです。
そして、この任務こそが、現在のフランクとレオを襲う事件の発端となっていることが分かります。 - レオの妊娠
レオが妊娠しているという事実は、単なる設定ではなく、物語の重要な要素となっています。彼女の妊娠は、フランクの行動原理に大きな影響を与え、また、アクションシーンにおいても重要な役割を果たします。 - 謎の組織: フランクとレオを襲撃した組織の正体は、物語が進むにつれて明らかになっていきます。この組織は、政府と繋がりがあり、フランクの過去の任務を隠蔽しようとしていることが分かります。
結末やネタバレを含む詳細な考察
フランクは、ヴァナケンを出し抜き、偽の証拠品と引き換えにレオを奪還することに成功します。
しかし、ヴァナケンは執拗に彼らを追跡し、逃走劇の末、レオは腕を撃たれてしまいます。さらに、その衝撃で破水してしまうという危機的な状況に陥ります。
フランクは、パラグライダーを使って逃走し、レオと合流しますが、ヴァナケンに追いつめられます。間一髪のところで、ベンが駆けつけ、ヴァナケンを倒します。しかし、ベンもまた重傷を負ってしまいます。
その後、フランクはかつての同僚たちに包囲されますが、レオと共に病院へ向かいます。レオは無事に出産し、フランクは拘束されます。
ここで、レオが機転を利かせていたことが明らかになります。彼女は、事前に金庫の鍵を手に入れており、証拠品を回収していました。そして、フランクの無実を証明し、事件は政府を巻き込む一大問題へと発展します。
最終的に、フランクは釈放され、レオと生まれたばかりの子供と幸せに暮らす様子が描かれます。
映画のラストシーンでは、フランクがカメラ目線で暗い表情を見せる場面があります。これは、彼が過去の出来事を完全に乗り越えられたわけではないことを暗示しているのかもしれません。
「AD VITAM」は、政府の隠蔽工作や暴力の是非といった倫理的なジレンマや道徳的な葛藤を提起する作品でもあります。フランクが過去の行動と正義への欲求の間で葛藤する姿は、このような状況下でしばしば直面するモラルのグレーゾーンを浮き彫りにしています。
アクションシーンはそれなりにもごたえがありましたが、よくあるパターンであるといえばよくあるパターン。
そして、都合よく(パルクール?)パラグライダーが落ちていたり、ちょっと笑ってしまう場面も。
海外映画のヒロイン役ってギャーギャーうるさいだけのストーリーをややこしくする役の人が多いのですが、レオは元特殊部隊に居ただけあって無双はするし、最後に実は鍵を隠していたりで素晴らしい活躍ぶりでした。
面白かった点
- アクションシーンのクオリティ
特殊部隊出身の主人公という設定を活かした、リアルで迫力のあるアクションシーンは、この映画の最大の魅力と言えるでしょう。銃撃戦やカーチェイスはもちろんのこと、市街地でのパルクールを駆使した逃走劇など、様々なアクションが楽しめます。
特に、パラグライダーを使った逃走劇は、非常に印象的でした。 - ストーリー展開
過去の任務と現在の事件が複雑に絡み合い、真相が徐々に明らかになっていくストーリー展開は、最後まで飽きさせませんでした。
伏線として色々とあるのですが、それにしてもわかりづらかったので、もうちょっとだけ演出を工夫してもらえたら早めに感情移入ができたりしたのかなーとも想います。
また、敵組織の背景とかもちょっと見えづらかったのが残念です。
それでも1時間半くらいでサクッと終わることを考えると気軽に見れる映画としてはとっても楽しめました。
- 登場人物: フランクとレオの夫婦愛、ベンとの友情など、登場人物たちの心情が丁寧に描かれており、感情移入しやすかったです。
続編についての情報
残念ながら、現在のところ「AD VITAM」の続編に関する情報は確認できませんでした。
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結論
「AD VITAM」は、アクション、サスペンス、ヒューマンドラマの要素がバランス良く融合した作品です。緻密なストーリー展開、迫力のアクションシーン、魅力的な登場人物など、見どころ満載の映画と言えるでしょう。未見の方は、ぜひ一度ご覧になってみてください。
そして、「AD VITAM」は、正義、忠誠心、そして逆境に立ち向かう愛の力といった複雑なテーマを探求する、心を掴むアクション映画です。