バスケットボールにかける高校生たちの青春を描いたアニメ「あひるの空」。原作は日向武史先生による同名の漫画で、週刊少年マガジンにて2004年から連載中。2019年10月からテレビアニメが放送開始され、全50話という長編アニメとなりました。
原作で言うと全50巻中の18巻までがアニメで放映された部分になります。
この作品の魅力は、バスケを通して成長していく登場人物たちの姿、そしてリアルな心理描写にあります。今回はそんな「あひるの空」について、あらすじから登場人物、ファンの考察、そしてアニメ打ち切りの理由まで、徹底的に解説していきます。
※当ブログの画像は公式サイトから引用させていただいています。
あらすじ
身長149cmと小柄ながら、抜群のバスケセンスを持つ車谷空。彼は亡き母との約束を果たすため、高校ではバスケ部に入部することを決意します。
神奈川県の九頭龍高校(通称:クズ高)に入学した空は、バスケ部に入部しますが、そこは不良の溜まり場と化していました。しかし、空の熱意とバスケへの情熱に感化され、花園百春、花園千秋ら個性的なメンバーが集結。彼らは、様々な困難に立ち向かいながら、バスケを通して成長していきます。
登場人物
「あひるの空」には、個性豊かなキャラクターが多数登場します。ここでは、主要な登場人物とその詳細を紹介します。
学校 | 名前 | Position | Personality | Key Role | 詳細 |
---|---|---|---|---|---|
九頭龍高校 | 車谷 空 | ポイントガード | 諦めない心を持つ、努力家 | 主人公。小柄ながら、類まれなバスケセンスと never-give-up の精神でチームを牽引する。 | 亡き母との約束を果たすため、バスケに打ち込む。4 |
花園百春 | パワーフォワード | 根は優しく、情に厚い | 元不良。パワーとスピードを武器に、インサイドで活躍する。 | バスケ部を立て直すために、空に協力する。 | |
花園千秋 | シューティングガード | 冷静沈着で頭脳派 | チームの司令塔。的確な判断力でゲームをコントロールする。 | 戦略面でチームを支える。 | |
夏目健二 | センター | 類い稀なバスケットセンスを持つ | 長身でリバウンドが得意。 | トリッキーなプレイスタイル | |
茂吉 要 | スモールフォワード | 寡黙でクール | 長身を生かしたフックシュートが得意技 | チーム最長真 | |
新丸子高校 | 千葉真一 | センター | 負けず嫌いでプライドが高い | その豪快なプレーと高いキャプテンシー | 中学時代は身長が低く、試合で使ってもらえなかった悔しい経験がある。 |
横浜大栄高校 | 白石 静 | ポイントガード | 冷静で分析力が高い | 全国トップクラスの実力を持つ司令塔。 | 神奈川県No.1プレイヤーとして君臨する。 |
八熊重信 | センター | 強面だが、仲間思い | ジャンプ力を生かした豪快なシュートブロックが持ち味 | 白石とは犬猿の仲。 |
アニメを楽しむためのポイント
「あひるの空」を楽しむためのポイントの一つは、登場人物たちの成長に注目することです。 彼らはバスケを通して、技術だけでなく、精神的にも大きく成長していきます。
特に、空は小柄というハンデを克服するために、人一倍努力し、様々な困難を乗り越えていきます。 例えば、新丸子高校との練習試合では、千葉真一の圧倒的な身体能力の前に、自分の力の無さを痛感します。しかし、それでも諦めずに練習を重ね、独自のプレースタイルを確立していきます。
また、チームメイトとの絆や友情も見どころです。
最初はバラバラだった彼らが、バスケを通して、次第に心を通わせていく様子は感動的です。
百春はバスケに対して真剣ではありませんでしたが、空の情熱に触れるうちに、本気でバスケに取り組むようになります。そして、空と衝突することもありましたが、最終的には互いに信頼し合う、かけがえのない仲間となります。
リアリティ
「あひるの空」は、他のバスケアニメと比べて、リアリティを重視した作品です。 スーパープレイや超人的な能力はほとんど登場せず、選手たちは地道な努力を重ねて成長していきます。
戦略やチームプレイが重視され、個人の能力だけで勝敗が決まるわけではありません。
例えば、クズ高バスケ部の成長について、「現実の部活動と同様に、努力が必ずしも報われるとは限らないところがリアル」と評価する声が多くあります。 また、登場人物たちの葛藤や挫折についても、「共感できる」という意見が多く見られます。
登場人物たちの心情描写もリアルです。 勝利の喜びだけでなく、敗北の悔しさや挫折感、プレッシャーなど、様々な感情が丁寧に描かれています。
考察※以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。
「あひるの空」は、インターハイ出場を目標としていますが、実はアニメの中で彼らはインターハイに出場することができません。 この展開は、多くの読者を驚かせましたが、「それでも、彼らは最後まで諦めずに戦い抜いた。その姿に感動した」という意見が多く見られました。
また、主人公の空も後半はあまり活躍のシーンもなく母親が亡くなったりと非常にどん底の状態で終了になります。
よく言えば続きが気になるのですが、悪く言えば非常にモヤモヤした感じで中途半端に終了するのです。
また、空の母親の死や、部室の火事など、シリアスなエピソードも描かれています。 これらのエピソードを通して、登場人物たちはさらに成長し、絆を深めていきます。
さらに、アニメのラストシーンについても、様々な解釈がされています。 空が最後に見せた表情は、未来への希望を感じさせるものなのか、それとも諦念を表すものなのか、議論が分かれています。
「あひるの空」は、バスケ漫画でありながら、青春ドラマ、人間ドラマとしての側面も強い作品です。 登場人物たちの葛藤や成長、そして彼らが織りなす人間関係は、読者に深い感動を与えます。
特に、空のひたむきな姿は、多くの読者に勇気を与えているのではないでしょうか。 彼の「諦めない心」は、どんな困難にも立ち向かう力を与えてくれます。
それにしても、試合になかなか勝てません。
ひどいと言われる理由
「あひるの空」は、一部で「ひどい」と言われることがあります。 その理由としては、以下の点が挙げられます。
- 試合に勝てない
クズ高バスケ部は、なかなか試合に勝つことができません。そのため、「見ていてイライラする」「主人公が活躍するシーンが少ない」という意見があります。しかし、一方で、この「勝てない」という展開が、現実の厳しさを反映しており、物語に深みを与えているという意見もあります。
ただ、原作を読んでおらず、今後も読むつもりもなくアニメだけを見た人は50話も見て1勝も出来ないというのはストレスを感じてしまうのはよくわかります。 - シリアスな展開が多い
空の母親の死や、部室の火事など、シリアスな展開が多く、暗い気持ちになるという意見があります。しかし、これらのシリアスな展開は、登場人物たちの成長を促す重要な要素であり、物語にリアリティを与えているという意見もあります。
原作者 日向武史氏も納得できなかった演出
原作者の日向先生の Xの投稿です。
逃げるなら最初からやるなよ。 pic.twitter.com/ZBbsGLeruo
— 日向武史 (@hinatatakeshi) July 3, 2020
アニメ公式が消したとされているツイートをキャプチャを撮ってツイートしています。
不破豹の目の光が「黒子のバスケ」と言うアニメののゾーンに入った時の演出と同じものと言うことで、これが原作にはなかった演出ということで作者が投稿したこともあってちょっとした炎上をしてしまいました。
そのほかにも、アニメに対する日向先生の投稿が話題を呼びました。
立て続けにDM来るから何事かと思った。
「ディオメディアだから仕方ない」
…と言いたいところだけど、自分の漫画だしそうもいかない。
その作品のファン達を不快にさせてしまったなら申し訳ないです。
純粋なあひるの空の読者にもね。
失望に値する、最低な演出だと思います。
重ねてお詫びを。
— 日向武史 (@hinatatakeshi) July 3, 2020
あひるの空 アニメ 続編 2期の噂とは?
『あひるの空』は原作漫画が非常に長く続いており、アニメ2期に十分なストーリーが残っていることは間違いありません。
全50巻まであってすでに完結しているのもアニメとしてはやりやすいはずです。
公式からは続編の有無に関しては発表はありませんが、作者の日向先生が先述の通りアニメに関して不信感を抱いていることから続きのアニメ化は絶望的と言わざるを得ないでしょう。
どうしても続きが気になる場合は漫画を読むしかないかもしれません。
アニメの続きが見たい場合は19巻から購入すると続きを見ることが可能です。