2022年10月期にTBS系列で放送されたドラマ「クロサギ」。King & Princeの平野紫耀さん主演で、詐欺師を騙す詐欺師“クロサギ”の活躍を描いた作品です。
原作は、2003年から2013年まで「週刊ヤングサンデー」および「ビッグコミックスピリッツ」で連載された黒丸・夏原武による漫画「クロサギ」シリーズです。
2006年には山下智久さん主演でドラマ化、2008年には映画化もされましたが、今回のドラマは、2013年に完結した漫画シリーズを原作に、いわば“『クロサギ』完全版”として新たにドラマ化されたものです。
2022年の現代を舞台に、日本でリアルに起こっている詐欺に「クロサギ」が喰らいつく!痛快な復讐劇の中で、人の「心」を利用する詐欺だからこそ生まれる人間ドラマも重厚に描いていく、見応えのある作品となっています。

はおっち
続きが気になってついつい一気見しちゃいましたよ。

あらすじ

15歳の時、詐欺によって家族を失った黒崎高志郎(くろさき こうしろう)。彼は詐欺師への復讐を誓い、詐欺師のみを騙す詐欺師“クロサギ”となります。
表向きはアパートの大家として生活しながら、詐欺師の情報を持つ桂木(かつらぎ)という謎の人物から詐欺師の情報を買い、彼らを喰い物にしていきます。

そんな黒崎の前に現れたのは、検事を目指す正義感の強い大学生・吉川氷柱(よしかわ つらら)。
「詐欺師を騙す詐欺師」という矛盾した存在である黒崎と出会い、氷柱は葛藤します。
黒崎は氷柱に協力させられながらも詐欺師を騙していきますが、2人の正義へのアプローチは大きく異なり、しばしば対立します。   

黒崎は、様々な詐欺の手口を駆使し、詐欺師たちを追い詰めていきます。そんな中、黒崎は今回の詐欺師が、家族の仇である御木本(みきもと)につながるのでは、と動き始めます。
御木本は、かつて黒崎の家族を破滅に追い込んだ張本人です。黒崎は、御木本への復讐を果たすため、そして氷柱を守るため、命がけの戦いに挑んでいきます。

登場人物

名前 役柄 説明
黒崎高志郎(くろさき こうしろう) クロサギ 主人公。詐欺師を騙す詐欺師。家族を詐欺で失った過去を持つ。平野紫耀が演じる。
吉川氷柱(よしかわ つらら) 検事を目指す大学生 正義感が強く、黒崎の行動に葛藤する。黒島結菜が演じる。
桂木敏夫(かつらぎ としお) 詐欺師の情報屋 黒崎に詐欺師の情報を提供する謎の人物。三浦友和が演じる。
神志名将(かしな しょう) 警察官 黒崎の存在を知り、彼を追い詰める。井之脇海が演じる。
早瀬かの子(はやせ かのこ) 桂木の秘書 桂木を支える女性。中村ゆりが演じる。
白石陽一(しらいし よういち) 詐欺師 汚職に紛れた企業を狙うシロサギ。山本耕史が演じる。
御木本(みきもと) 詐欺師 黒崎の家族を破滅に追い込んだ張本人。坂東彌十郎が演じる。

ドラマを楽しむためのポイント

ドラマを楽しむためのポイントとしては、以下の点が挙げられます。

  • 黒崎の変装術
    黒崎は詐欺師を騙すために、様々な人物になりすまします。 時にはホスト、時には医者、時には老人と、七変化を見せる黒崎の姿は、見ていて飽きません。

  • 現代社会の闇を映すリアルな詐欺
    ドラマでは、様々な詐欺の手口が描かれています。 登場人物たちが騙される様子は、他人事とは思えず、詐欺の恐ろしさを改めて実感させられます。

ドラマに散りばめられた伏線と回収

ドラマには、様々な伏線が散りばめられており、最終回に向けて徐々に回収されていきます。

例えば、黒崎が飼っている猫の名前「クロ」。
これは、黒崎が詐欺師になったきっかけである、15年前の事件で殺された飼い猫と同じ名前です。
この伏線は、最終回で黒崎が氷柱にクロを託すシーンで回収され、黒崎の過去と未来を象徴するものとして描かれています。

また、黒崎と氷柱の関係性も、伏線と回収が見事に描かれています。
最初は対立していた2人ですが、共に事件を解決していく中で、徐々に心を通わせていきます。
しかし、黒崎は詐欺師という危険な世界に生きており、氷柱とは決して結ばれることはありません。
最終回で、6年後、検事になった氷柱と黒崎が横断歩道ですれ違うシーンは、2人の運命を象徴する切ない伏線回収となっています。

制作秘話

ドラマ「クロサギ」の制作現場では、スタッフ全員が平野紫耀さんの演技に魅了され、彼を応援していたそうです。
平野さんは、「花のち晴れ~花男 Next Season~」というドラマで4年前に黒崎役を演じた塚原あゆ子監督と再会を果たし、監督は平野さんの成長に驚き、そして感動したと語っています。

詳細な考察(ネタバレあり)

ドラマ「クロサギ 2022」は、単なる勧善懲悪の物語ではありません。詐欺師である黒崎を通して、現代社会に潜む闇や人間の心の弱さを浮き彫りにしています。

黒崎は、詐欺師を騙すことで、彼らに制裁を加えます。
しかし、黒崎自身もまた、人を騙すことでしか生きられないという苦悩を抱えています。 彼は、氷柱との出会いを通して、人間としての温かさや正義感を取り戻そうとしますが、最終的には詐欺師の世界から抜け出すことはできませんでした。   

最終回で、黒崎は氷柱に「戻ったら、フグな」と約束しますが、それは叶うことのない約束となります。 黒崎は、再び詐欺師として、孤独な旅に出ることを決意します。  

視聴者の間では、黒崎の最後の選択について、様々な考察がされています。

  • 黒崎は、御木本を倒すという目的を果たした後も、詐欺師としての生き方を選んだ。これは、彼が詐欺師の世界に染まりきってしまったことを意味するのか?
  • それとも、黒崎は、氷柱を守るために、あえて彼女の前から姿を消したのか?

これらの疑問に対する明確な答えは、ドラマの中では示されていません。 視聴者それぞれが、黒崎の心情や行動を解釈し、自分なりの答えを見つけることができるようになっていると言えるでしょう。

はおっち

ドラマ「クロサギ 2022」は、平野紫耀さんの熱演が光る作品でした。
彼は、クールでミステリアスな黒崎を見事に演じきり、視聴者を魅了しました。

特に印象的だったのは、黒崎が氷柱に自分の過去を告白するシーンです。家族を失った悲しみ、詐欺師への憎しみ、そして氷柱への複雑な感情が、平野さんの繊細な演技によって表現されていました。

また、黒崎と氷柱の恋愛模様も、ドラマの見どころの一つでした。 2人は惹かれ合いながらも、決して結ばれることのない運命にあります。
その切ない関係性が、視聴者の心を揺さぶりました。

全体的に、ストーリー展開がテンポ良く、飽きさせない作品でした。 伏線も巧妙に張られており、最終回まで目が離せませんでした。

続編について

ドラマのラストシーンでは、「黒崎の旅はつづく」というテロップが表示され、続編を期待させる終わり方となっています。
原作漫画には、「クロサギ再起動」という続編があり、 さらに新たな展開が描かれています。
ドラマ版の続編が制作されるかどうかは、現時点では不明ですが、 多くのファンが続編を期待していることは間違いありません。

まとめ

ドラマ「クロサギ 2022」は、スリリングなストーリー展開、魅力的な登場人物、そして社会派ドラマとしてのメッセージ性など、様々な要素が詰まった作品でした。
平野紫耀さんの熱演、黒崎と氷柱の切ない恋愛模様、そして巧妙に仕掛けられた伏線など、見どころ満載です。

正義とは何か、復讐の是非、そして愛する人を守るということ。様々なテーマを考えさせられる作品であり、見終わった後も、心に深く残るものがあるでしょう。

広告