2021年12月にAmazon Prime Videoで配信が開始されたドラマ「No Activity / 本日も異状なし シーズン1」。
シソンヌじろうが脚本を手掛け、英勉が監督を務めた本作は、豪華キャストとシュールな笑いで話題を呼びました。
一見、派手なアクションの刑事ドラマかと思いきや、個性豊かなキャラクターたちの掛け合いと、予想外の展開に引き込まれること間違いなし!
あらすじ
舞台は、国際的な麻薬取引が行われるという情報が入ったとある街。
ベテラン刑事の時田信吾と、彼の相棒である椎名遊は、麻薬取引の現場である廃工場へ張り込みに向かいます。
しかし、張り込み現場は予想以上に退屈で、2人は暇を持て余してしまいます。
時田は椎名に「運転上手いの?」と尋ねたり、くだらない雑談を始める始末。
同じ頃、別の場所では、無線機を通して時田と椎名のやり取りを聞いている、ベテラン指令官の里見美里と、新人の大平阿漓羅がいました。
2人は、時田と椎名のグダグダな会話に呆れながらも、捜査の行方を見守ります。
里見は、大平に「公務員なれても楽しくなかったらすぐ辞めちゃうんでしょ?」と皮肉を言ったり、自身の恋愛話で盛り上がったりと、こちらもマイペースな様子。
そして、麻薬取引に関わる男女、諌山と三雲も、それぞれの思惑を胸に、廃工場へと向かいます。
時田と椎名は、ハッタリをかまして犯人を逮捕しようとしますが、なかなかうまくいきません。
椎名は元自動車教習所の教官だったこともあり、運転技術を駆使して犯人を追跡しますが、予想外のハプニングに巻き込まれてしまいます。
果たして、時田と椎名は麻薬取引を阻止することができるのか? そして、それぞれの思惑が交錯する中、どんな結末が待ち受けているのか?
登場人物
個性豊かな登場人物たちが、ドラマをさらに盛り上げています。
ドラマを楽しむためのポイント
このドラマの魅力は、登場人物たちの軽妙で驚くほどくだらない会話劇にあります。
ほとんどのシーンが、張り込み中の車内や指令室など、限られた空間で展開されます。 そのため、登場人物たちの会話が中心となり、そのテンポの良い掛け合いが見どころです。
特に、時田と椎名のボケとツッコミの応酬はクスッと笑える場面が多く飽きさせません。
麻薬取引というシリアスな状況下で、2人が繰り広げる他愛もない会話はシュールで独特な笑いを生み出しています。
例えば、時田が椎名のイケメンボイスを真似て「イケボっすよね」と発言するシーンとか個人的にツボでした。
エピソードガイド
「No Activity / 本日も異状なし シーズン1」は、全6話で構成されています。各エピソードのタイトルは以下の通りです。
- 第1話:The Beginning of a Long Night
- 第2話:Two Vomits / What You Don’t Want to Lose
- 第3話:The Date / Worst Dawn
- 第4話:The Witness / Unpredictable Pinch
- 第5話:The American / There Is a Disorder
- 第6話:The Best Buddy
各エピソードでは、時田と椎名の珍妙なやり取りを中心に、麻薬取引に関わる人物たちの思惑や、指令室での出来事が描かれます。予想外の展開や、個性的なキャラクターたちの登場など、見どころ満載です。
伏線と回収 (以下、ネタバレあり)
一見、何気ない会話の中に、伏線が散りばめられているのも、このドラマの魅力です。
一見無駄話に思えるちょっとした一言が伏線となっているのがこのドラマの最大の魅力です。
伏線を意識しながら見ると、より深くドラマを楽しむことができます。
時田が無くしてしまった拳銃の行方や、実は常田の元妻と椎名が付き合っていたりと色々な驚きが。
また、タイトルの No Activity (異常なし)というのもしっかり最後まで見ると回収されていますね。
結末と考察
ドラマの結末は、明確には描かれていません。 麻薬取引が失敗に終わることは示唆されていますが、犯人たちが逮捕されたかどうかは定かではありません。
時田と椎名は、事件解決にほとんど貢献せず、むしろ混乱を招いているようにも見えます。
このドラマは、派手なアクションやサスペンス要素は控えめで、あくまで「会話劇」を中心としたコメディ作品です。 事件そのものよりも、登場人物たちの個性や人間模様に焦点を当てている点が、従来の刑事ドラマとは一線を画しています。
視聴者の感想では、「予想外の展開で面白かった」「時田と椎名の掛け合いが最高」「ゆるい雰囲気が心地よい」といった意見が多く見られました。 また、「社会風刺が効いている」「現代人の生き方を考えさせられる」といった深読みする声も上がっています。
個人的には、時田と椎名のキャラクターが最高に面白かったです。豊川悦司と中村倫也の演技力も相まって、2人の掛け合いは、笑わずにはいられませんでした。
また、一見、何も起こらないような状況下で、クスッと笑えるポイントを散りばめている脚本の巧みさにも感心しました。
全体的にゆるい雰囲気で、肩の力を抜いて見られるのも良かったです。 深く考えさせられるようなテーマも含まれていましたが、押し付けがましくなく、自然と受け入れることができました。
それにしても、ネットフリックスの「地面師たち」の豊川悦司演じるハリソン山中の風貌でこの間抜けな時田というキャラクターはあまりにもおもしろすぎます。
続編について
「No Activity / 本日も異状なし」は、2024年9月にシーズン2が配信されています。
シーズン1の主要キャストは続投し、高橋克典や白石麻衣など、新たな登場人物も加わって、さらにパワーアップした内容になっています。
シーズン1を見て面白かった方は、ぜひシーズン2もチェックしてみてください。
最後に
「No Activity / 本日も異状なし シーズン1」は、従来の刑事ドラマとは一線を画す、斬新なコメディ作品です。
豪華キャストの演技、テンポの良い会話劇、そして予想外の展開を楽しむことができます。
何も起こらない張り込み捜査という状況設定でありながら、登場人物たちの個性的なやり取りによって、コミカルで奥深い人間ドラマが描かれています。
この作品は、単なるコメディとして楽しむだけでなく、現代社会における人間関係やコミュニケーション、そして働くことの意味など、様々なテーマについて考えさせられるきっかけを与えてくれます。
まだ見ていない方は、ぜひ一度Amazon Prime Videoで視聴してみてはいかがでしょうか。